パンの香りはどこから来ているのか!

こんにちは!

 

パン作りに用いられるイーストは、日本語では酵母と呼ばれます。

 

酵母とは、その名の通り、「発酵の母」となる微生物のことです。

 

数ある酵母菌のうち、パン作りに適した種類の酵母のことを

パン酵母と呼んでいます。

 

イースト(パン酵母)は、パン生地に含まれる糖を分解して、

アルコールと炭酸ガスを生成します。

 

この時発生した炭酸ガスがパン生地から抜けてしまうと、

パンが膨らみません。

 

炭酸ガスを逃がさないためには、小麦粉に含まれる

グルテンというたんぱく質の存在が重要で鵜s。

 

グルテングルテン酸を多く含み、粘り気に富み、炭酸ガス

逃がします。

 

でんぷんを使ってパンが出来ないのは、でんぷん粉には

グルテンが含まれていないからです。

 

酵母の役割として重要なものに、香り成分の生成があります。

 

香り成分は有機酸や高級アルコール類があり、

これらが絶妙な割合で生成するため、美味しいパンの香りが生成します。

 

単純に炭酸ガスを出すなら、ベーキングパウダー(膨らまし粉)でも

パンを膨らませることは可能です。

 

しかし食パンのクラム(内部)に見られる無数の気泡は、

イーストこそ成せる業です。

 

またベーキングパウダーには香り成分は存在しません。

 

乳酸菌によって生成される有機酸が雑菌の繁殖を防ぎ、

酵母が働く環境を整えます。

 

酵母は糖を利用して、付随的に炭酸ガスを発生させながら、

エタノールをはじめとする様々な風味成分を生成します。

 

発酵時間を長く取ることで、パンの風味がより

豊かになる発酵成分が生成され、パンの風味に大きく寄与します。

 

乳酸菌はその名の通り、乳酸を多量に生成する細菌の総称です。

 

中でも風味に強く影響を与えているのが、乳酸や酢酸といった

有機酸です。最も多く生成されている乳酸はほとんど香りがなく、

比較的マイルドな酸味です。

 

一方酢酸はツンとした刺激的な香りと酸味を呈しますが、

うまみを増強するなど、パンの味や香りに大きく関わります。

 

これらの有機酸と乳酸菌が生成することで、パンに防カビ、

防菌効果を付与します。生地の伸展性や食感に影響を与えます。

 

このように乳酸菌の多様な機能を活用することで、酵母だけでは

成し得ない様々な効果をパンにもたらしています。