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前頭側頭葉変性症(指定難病127)は、
大脳の前頭葉や側頭葉を中心とする神経細胞の変性、脱落により、
人格変化や行動障害、言語障害などが徐々に進行する神経変性疾患です。
パーキンソニズム、運動ニューロン症状をはじめとする、
種々の程度の運動障害を認める場合もあることも特徴です。
アルツハイマー病と比べて疾患の頻度は低いです。
65歳未満で発症する若年性認知症の比率が多いことが特徴です。
段階的にも物忘れだけでなく、行動障害や言語障害が中心となります。
診断の遅れる症例や社会的に問題となる症例も多く認められます。
さらに就労年齢や子育て中の年齢で発症することも多いです。
経済的負担や子どもへの対応が大きな問題です。
約12,000人程度の患者が日本にいるとされています。
若年期(40~64歳)に発症するすることが多いです。
特定の地域に多いということはないです。
最近の研究の進歩により、タウ、TDP-43、FUSと呼ばれる
タンパク質が変性し、蓄積することが発症に関連します。
その中でもタウとTDP-43の頻度が高いことが知られています。
この残存神経細胞にタウやTDP-43、FUSなどの異常タンパクが
蓄積していることが原因です。
なぜこのような変化が起こってしまうのか分かりません。
家族歴は欧米では30~50%見られますが、日本ではほとんど
見られません。
人格変化、行動障害、言語障害が症状として出現します。
人格変化や行動障害の具体的な事例としては、
抑制が効かない(社会的に不適切な言動をする、礼儀やマナーが無くなる、
衝動的で分別がない、周囲の目を気にしない)、無関心、無気力、
共感の欠如(風邪で寝込んでいる家族に食事の用意を要求する)、
同じ行動や同じ言葉を繰り返す、食事や嗜好の変化(アイスクリームや
まんじゅうを何個も食べる、時刻表的な生活パターンを繰り返す)があります。